こんにちは。ハンドメイド作家のととたまです。

今回は、ハンドメイド作品を販売するときに知っておきたい法律、「著作権」「商標権」「肖像権」についてと、売ってはダメなハンドメイドオリジナル作品をつくるコツのお話しです。

  

私のハンドメイド、売ってもいいのかなぁ。

オリジナルだったら大丈夫だよ。パクりはダメだよ。

オリジナルとはすなわち「唯一無二」。

「自分の想いを込め、自分にしか創れないもの

もしも、意図的に摸倣して作ったものを販売したら、著作権、商標権、肖像権の侵害になり、場合によっては訴えられ損害賠償問題になることもあるんですよ。

「訴えられるなんておおげさでしょう。」と思われるかもしれませんが、作品(商品)の無断使用を許す人(企業)はどこにもいません。

逆の立場で、もしあなたがパクられたとしたら、絶対に許せないですよね。

なので自分を守るためにも、著作権」「商標権」「肖像権」について知っておきましょう。

また、オリジナル作品をつくるコツについてもお伝えしていきますので、参考にしてくだされば嬉しいです。

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著作権は、作品の権利を保護する法律

著作権は、作品が完成した時点で自動的に発生します。絵画、映画、写真、音楽、文章、デザイン、アニメ、マンガなど、あらゆる作品に著作権があります。

著作権の侵害となる行為

著作権の侵害となる行為

  • 無断でアレンジやコピーをして販売
  • 無断でネット上やSNSに公開

「自分の作品を販売したり公開できるのは自分だけ!」

という権利を著作権法が保護しています。

なので勝手に摸倣して販売したり、SNSなどで他の人の目に晒される状態をつくることは、著作権侵害で法律違反です。

著作権法はみんなで守らなければ、世界中コピーや摸倣だらけになってしまいます。

そうなると創作活動が報われなくなり頑張ることがアホらしくなって、誰も創作活動をしない世の中になってしまうかもしれません。

そんな世の中って考えられないですよね。

商標権は、企業の利益を守る法律

商標は、商品・サービスを他人(他社)のものと区別するためにあります。

商標権の侵害となる行為

商標権の侵害となる行為 

  •   商標登録されたロゴ、マーク、ネーミングを付けて販売

企業は商品やサービスの「ロゴ」「マーク」「ネーミング」などを、特許庁に商標登録して権利を保護しています。

また2015年4月から色だけ(色彩)の商標登録もできるようになりました。

「この色でこの配色って○○にしか見えないよね!」といったような配色は、日常でよく見かける誰もが知っている商品やサービスだったりします。 そんな配色は色だけ(色彩)の商標登録がされているかもしれませんので、気をつけましょう。   

また気になる商標がある場合は、特許庁の商標検索サイト J-PlatPat(ジェイプラットパット)で検索することができます。

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肖像権は、すべての人にある権利

肖像権は、他人に写真を勝手に撮られたり、公開されたり使われない権利で、国民の誰もがもっています。

肖像権の侵害となる行為

肖像権の侵害となる行為

  • 他人の写真を撮ってネット上やSNSに公開
  • 芸能人や有名人の名前や写真の使用、モチーフにして販売

芸能人や有名人の写真を勝手に撮ってSNSなどに公開するのは肖像権の侵害で違法です。

それは一般の方も同じで、写真の公開は必ずご本人に許可をとりましょう。

販売に関してももちろん肖像権の侵害で違法です。芸能人の写真から勝手に商品を作って販売して不当に利益を得ることは許されません。

また雑誌や写真集などはプロの写真家が撮っていて、写真は写真家の著作物なので写真家に著作権があり、写っている人には肖像権があります。

売ってはダメなハンドメイド

では、売ってはダメなハンドメイドの例をあげてみましょう。

  • 手元にある手作り品を模倣する
  • 手元にある既製品を模倣する
  • ネット上の画像を摸倣する
  • 手芸教室や講習会で習った作品
  • 手芸本や手芸キットで作る
  • ネット上で見たレシピで作る
  • キャラクターをモチーフにする
  • キャラクターの生地、デザイナーズファブリックを使用
  • 商標登録されたロゴ、マーク、ネーミングを付ける
  • 芸能人の写真を使用したり、モチーフにする

他の作家さんの作品を丸パクリ

他の作家さんの作品や、既製品として売っているものを丸パクリして販売してはダメです。

手芸教室や講習会は、見本が講師の方のオリジナルだったりするので、習った作品を勝手に販売してはダメです。教材のどこかに「販売してもよい」あるいは、「販売してはいけない」という但し書きがないか、よく探して必ず確認しましょう。

手芸本や手芸キットで作る

手芸本のレシピそのままだったり、手芸キットで作った作品を販売してはダメです。

手芸本や手芸キットには但し書きがあって、

「個人的に楽しむ場合を省き、作品を複製することは固くお断りします。」

「営利目的での販売は著作権法で禁じられています。」

といった内容で、完全に販売を禁止していますので気をつけましょう。

手芸本や手芸キットは、作ることを楽しんでもらうための商品なので、売るために利用するという発想はいかがなものかと思います。

また、最近ではネット上やSNSでレシピや制作動画を見かけますが、複製や販売については利用規定を必ず確認してくださいね。

キャラクターをモチーフにする

すでに完成されたキャラクターの人気にタダでのっかって商売してはいけません。

勝手にキャラクターを使用することは、ファンの方たちをもだましていることになります。

もしどうしても作りたいキャラクターがあったとして、使用許可の申請をして使用料をお支払いすることでコラボできるかも?(すみません。何の根拠もありませんが...。)

キャラクターの生地、デザイナーズファブリックを使用する

キャラクターの生地やデザイナーズファブリックのほとんどは販売目的の使用を禁止しています。

布の耳の部分に「製品化して販売することは禁じられています。」といった記載があったら、その布で作った作品は販売できませんので気をつけましょう。

こちら私物のプーさんのファブリックです。このように耳の部分に注意書きがプリントさています。(日本語訳:この製品は非営利での家庭での使用を目的としています。)  

街の手芸店だと自分の目で注意書きの確認ができますが、通販サイトだと画像で確認が難しいかもしれませんね。

だからといって「まあいいか。」ではなく、電話かメールで商用利用が可能な布か問い合わせしてほしいと思います。

「ロゴ」「マーク」「ネーミング」をモチーフにする

商標登録された「ロゴ」「マーク」「ネーミング」をモチーフにして作った作品を販売してはダメです。

「ロゴ」「マーク」「ネーミング」は企業の顔です。なので商標登録をして利益を守っています。

安易に使用するのは絶対にやめましょう。

芸能人の写真を使用したりモチーフにする

芸能人や有名人の名前や写真を使用したり、モチーフにした作品を販売してはダメです。

芸能人はその人自体が商品的価値を持ってお仕事をされているので、その人気にタダでのっかって商売してはいけません。

オリジナル作品づくりのコツ

「販売してOKなのはオリジナル作品だけ。」なのはわかっていても、ゼロからつくるってすごく大変なことですよね。  

作品づくりの参考にしたいと思うものは身近なところにたくさんあるかもしれません。素敵な作品に出合い影響を受けて、創作意欲が湧いてくることもあります。

でも影響を受けすぎて真似になってしまったり、どう見てもそっくりになってしまったら?

残念ながらそれは結果的に著作権を侵害したことになりますので、その作品は大事に手元に置いておいて、絶対に売ったりプレゼントしたりしないでください。

たとえ売らなくても、他人に渡っていろいろな人の目に触れることで、思わぬトラブルに発展しないとも限りません。

大事なことは他人の作品に影響は受けても、まったく別の元の原型を連想させない作品に仕上げるという強い意志と力量です。

丸パクリを避ける方法

たとえば、作品づくりのために参考にしたい何か作品があるとして、参考にしたいだけなのに、どうしてもそっくり同じ作品が出来上がってしまうことはないですか?

それは、その参考にしたい作品ひとつだけを見過ぎるからです。

参考にしたい作品は物理的に視界から消しましょう。記憶だけを頼りにつくると割と似なくなります。人の記憶って曖昧なのでいい感じで変換されたりします。

また参考にしたい何かはそれひとつではなく他にも資料をたくさん用意して、それぞれちょっとづつチョイスします。そこへあなたの個性的要素(こだわり)を注ぎ込むイメージでまとめ上げれば、オリジナル作品の完成です。

技術と知識をスキルアップ

手芸教室や講習会で習った技術や知識は財産です。習った技術に磨きをかけどんどんスキルアップしていきましょう。

頭の中にある作品の新しいアイデアや構想は、カタチにしてこそなんぼです。

カタチに出来るか出来ないかは、自分の持っているスキル「技術と知識」次第です。

そういった意味ではハンドメイド作家は一生勉強かもしれませんね。

手芸屋さんで情報ゲット

今は100円ショップのハンドメイドコーナーもエリアが広くなり、一般の方が手芸を楽しめる商品がたくさんありますよね。

実はそこからオリジナル作品づくりのアイデアとなる情報が見えたりします。

たとえば、商品を見ると人気のジャンルが一目瞭然です。逆にいうとハンドメイド販売でも参入者が多いということで、自分の作品に付加価値をつけるのにかなり努力が必要というのがわかってきます。

また、そこにある商品を見るだけでなく、商品に無いものを見てください。

「無いものを見る」と、「無いものをつくる」アイデアがうまれませんか?「○○が欲しかった」というお客様にアプローチできるかもしれませんよ。

まとめ

いかがだったでしょうか。  

作品づくりに関わる著作権、商標権、肖像権については、すでに知っていることもあったかもしれませんね。   

著作権法で守られているからこそ世の中にはたくさんの著作物が生まれて、そのおかげで私たちの日常は楽しく豊です。

ものづくりって本当に素敵です!

気持ちを込めて表現したオリジナルの作品づくりに力を注ぎ、正しい知識と振る舞いでハンドメイド販売を長く続けていきましょうね。

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