「確定申告するほど利益はないけど経費のことは気になる。」

「ハンドメイドの必要経費ってわかるようでわからからない。」

「帳簿とか付けた方がいいのかなぁ。」というあなたへ。

この記事ではハンドメイドの必要経費にはどんなものがあるのか、私の場合の例も交えて詳しくお伝えしていきます。あなたの今ある領収書やレシートなどと照らしあわせみてはいかがでしょうか。

またせっかくなので帳簿の記帳についてもお伝えしていきますね。

帳簿といっても堅苦しいものではなく、普通のノートやおこずかい帳、パソコンのエクセル家計簿テンプレート、スマホの家計簿アプリなど、あなたが記帳しやすい方法で試してみてください。

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領収書・レシート・出金伝票・支払履歴

経費に領収書・レシートは不可欠です。

ほぼレシートで大丈夫ですが、高額なものは領収書をもらいましょう。

出金伝票とは、電車賃などレシートがでないときレシートの代わりになるもので、日付・要件・金額・支払先を自分で手書きします。出金伝票は100円ショップで買えます。

またネットショッピングのカード決済は支払履歴を確認しましょう。コード決済も同様です。

収入・支出(経費)の勘定科目を作ろう

収入は取引先ごとに分けます。

支出は [経費] [仕入れ] に分けます。

そして [経費] はさらに細かく分けて見出をつけます。

この見出しのことを勘定科目といいます。カテゴリーみたなものですね。

勘定科目はこれでなければならないという決まりはなく、ハンドメイドの取引内容がわかるように自由に設定できます。

では私が実際に使っている勘定科目で説明していきますね。

必要経費については、国税庁「帳簿の記帳のしかた」の29ページに一般的な必要経費の一覧表がありますのでそちらもあわせてご覧ください。

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収入

minne

私はminneで販売しているのでminneの勘定科目を作りました。

ここに記帳する売上げの数字は口座に振り込まれた金額ではなく、販売手数料や振込み手数料をかれる引かれる前の金額になります。

そして帳簿の日付は口座に振り込まれた日ではなく、作品が売れた日(売れた月)になります。

minneアプリの管理画面で、ひと月の合計売上げ結果が表示されますが、口座に振り込みが完了すると消えてしまって履歴が残りません。なので早めに帳簿に記帳しておきましょう。ただ販売の1件1件は履歴に残りますから後から拾うことはできます。でも大変な作業です。またメールでも毎月売上げレポートが送られてくるのでこちらを保管するのも有りですね。

ネットショップの販売先が複数あるならショップ別に勘定科目を作りましょう。

イベント対面販売

イベント出店のための勘定科目です。

開催期間売上げを合計するわけですが、当日はバタバタしがちなので売上げの記録に工夫しましょう。作品の搬入リストを作っておけば在庫と照合できて正確な売上げがわかりますよ。

イベント出店が多い方は主催者別の勘定科目を作りましょう。各会場の売上げの比較ができることも帳簿のメリットですね。

その他の収入

ハンドメイドの収入はその他に、委託販売、受注販売、講師料などありますね。

取引きがあれば勘定科目を作ってください。

私はその他の収入には、その年やるかやらないか決めていなかったことや、イレギュラーにもらった受注を記帳しています。

支出(経費)

給料賃金

  • 作品制作の下準備を友人に手伝ってもらった
  • イベントで搬入や設営、売り子の依頼をした
  • インスタ運営を友人にやってもらっている
  • 発送の梱包を友人に手伝ってもらった

お手伝いの方の報酬を時給でお支払いすることはもちろん、お菓子やランチなどの現物支給も賃金になります。

インスタは運営の目的が作品販売や生徒募集のためだったら、それにかかわるものは経費です。インスタ自体は無料ですが、投稿やリールの作成を依頼するなら賃金が発生し経費になります。

外注工賃

  • 作品のパーツをサイズ・色など指定して外部に加工を依頼した
  • 自分でデザインしたマスキングテープを製品化のため業者に発注した

外部業者に委託した場合の工賃の支払いは経費です。

材料や素材の購入とは別で、それは「仕入れ」になります。

荷造資材・運賃

  • 作品発送用のダンボール・プチプチ・テープなどを購入した
  • 遠方のハンドメイドイベント出店のため作品を宅急便で発送した

この勘定科目は私の場合は作品を発送するための梱包資材と宅急便料金に限定しています。

作品そのものを包むOPP袋や台紙、包装紙は「消耗品費」にしています。

一例なのであなたが仕訳しやすい方法にして大丈夫ですよ。

水道光熱費

  • 電気炉で作品を作っている
  • 染物で水を大量に使う

私の場合は電気炉が作品制作に欠かせません。電気代は消費電力と使用時間で計算しています。

染物は水を大量に使いそうなので例にあげましたが、作品に何リットル使ったとか計算が難しそうです。

旅費交通費

  • 材料を買いにお店までバスで行った
  • スキルアップセミナーに電車で行った
  • 遠方のハンドメイドイベント出店に飛行機・タクシーで移動、会期中はホテルに宿泊した

作品制作・販売にかかわる交通費、ホテル代は経費です。

通信費

  • 委託先開拓のため電話営業をした
  • 集客のためにパソコンでブログ運営をしていてサーバー代がかかっている

販売のための営業の通話なので経費です。

サーバー代はブログに不可欠ですね。

ですがWi-Fi代となると微妙です。家族みんなでWi-Fiを使っているとしたら、ハンドメイドの業務部分の比率を割り出すのは難しいかもですね。

はっきり割り出すことができないものは経費にはならないのです。

広告宣伝費

  • ショップカードを業者に発注した
  • インスタ、minneに広告を出した

ショップカードは宣伝目的のアイテムです。外部発注すると広告宣伝費ですが、100円ショップの紙を使って自宅で印刷したなら、紙とインクは「消耗品費」です。

修繕費

  • 電気炉をメンテナンスした
  • パソコンを修理に出した

作品制作や業務のためだけに使っている機器の修理代は経費です。

パソコンをプライベートと業務の両方で使っているなら使用頻度に合わせて割り当てられたら経費にできます。

ライセンス費

  • ○○協会の年会費を支払った

私は作品制作に直接関係している資格を取得していて年会費が必要なのでこの勘定科目を作りました。

セキュリティ対策費

  • セキュリティソフトをパソコンにインストールした

私の場合、パソコンはハンドメイドのためだけに使っているのでこの勘定科目を作りました。

もしウイルスでパソコンに被害があったら業務が滞るので不可欠な経費です。

サブスクリプション

・インスタとブログ投稿のためCanvaの有料会員になった

CanvaはSNS投稿やショップカード、チラシなどをテンプレートから簡単に作れます。無料でも使えるのですが有料会員は素材が無制限でAI機能も使えます。月払いと年払いがあります。

支払手数料

  • minneの売上げが振り込まれるときの銀行の振込手数料
  • 材料発注の取引先から請求された事務手数料

商品やサービスに付随して発生する手数料が支払手数料です。

他には代引き手数料、各種証明書の発行手数料、登録手数料などがあります。

販売手数料・立替手数料

  • minneの売り上げから引かれる販売手数料
  • minneでミンネコパックを利用した分の立替手数料
  • 委託販売した場合の販売手数料

収入に販売手数料を引かれたあとの金額を記帳して、経費で販売手数料を記帳すると、二重払いになってしまうので気をつけましょう。

図書・研修費

  • 作品制作に必要な書籍を購入した
  • スキルアップセミナーにzoomで参加した

作品制作の資料だったり、スキルアップ関連の受講料は経費です。

消耗品費

  • アイデアを書き留めるためのノート、ペン、マーカーを購入した
  • ラッピング用の包装紙とリボンを購入した
  • プリンターのカートリッジインクを購入した
  • サンキューカード用の紙を購入した
  • 委託先への納品に車で行った
  • 対面販売用にショップバッグを購入した
  • ディスプレイの什器、備品を購入した
  • ペンチとニッパーを購入した

文房具、紙類などは消耗品費です。

車を使った場合のガソリン代も消耗品費です。走行距離とガソリンの単価で計算しましょう。

什器やその他の物品は10万円以下ならば「消耗品費」になります。

出店料

  • ハンドメイドのイベントに出店が決まったので規約通りに出店料を振り込んだ
  • 委託販売先に出店料を支払った

出店料はハンドメイドならではの勘定科目ですね。

帳簿へ記帳の日付は振り込んだ日(支払った日)になります。

雑費

  • 委託先に車で搬入して駐車場代がかかった

勘定科目のどこにもあてはまらない場合は「雑費」に入れますが、あまりに雑費が多いとわかりにくいので、多くなったら関連づけして新しい勘定科目を作りましょう。

仕入れ

    材料や素材などの購入は「仕入れ」になります。

    「外注工賃」と混同しないように気をつけましょう。

     

    番外編

    「減価償却費」

    10万円以上の物品(たとえばパソコン、3Dプリンター、電気炉)を購入した場合、そのとき一度で計上せず、何年にもわたり少しずつ資産価値を減少させていくのが減価償却です。計算方法が複雑なので税務署で教えてもらいたい案件です。

    「地代家賃」

    自宅が賃貸で部屋の一部を作業場に使っている場合は、作業場の面積を割り出した金額を家賃として経費にできます。

    経費を記帳しよう

    せっかく経費を勘定科目に分けたので、帳簿に記帳してみませんか?

    とりあえずはどんなものでも大丈夫です。

    私はパソコンで無料のエクセル家計簿のテンプレートをダウンロードして使っています。「エクセル 家計簿 テンプレート 無料」で検索するとサイト上にいろいろ出てきますよ。

    スマホが得意でしたら無料の家計簿アプリも便利そうですね。

    ノートもお気に入りのキャラクターだったら楽しく記帳できそうです。

    あなたが記帳しやすい方法で試してみてください。

    ちなみにこちらは私の使っているテンプレートです。

    そして先ほど解説した勘定科目に書きかえたのがこちらです。

    入力は、入金・支払いがあったらその日のうちに都度加算して入力しています。

    このように私の場合は月ごとの記帳です。めんどくさがり屋なので。

    マメなあなたは日付けごとに記帳する形式もいいかもしれませんね。

    棚卸

    1年間の正確な所得計算のためには棚卸も必要です。

    棚卸とは、商品や製品、部品などの在庫数を調べることです。

    ハンドメイドでいうと、作品、材料、素材、パーツ・金具、未使用の消耗品・梱包資材などになります。

    1年間の所得計算は【売上げー必要経費】ですが実はそれでは不完全で、正しい1年間の所得計算は【売上げー必要経費+棚卸額になります。

    材料などの棚卸額は仕入れた時の金額でそれぞれ数えて計算します。

    個体なら数えやすいですが、布の場合は例えば50センチか1メートル単位を棚卸の対象にして、それ以下の端数は数に入れないとか、50個入り、100個入りのパーツ類だったら未開封のものは棚卸の対象、封を切ったものは数に入れないなどでよいと思います。

    作品の場合、棚卸額は販売価格ではなく原価で計算します。

    ですが1点1点作品の原価は違いますから、在庫作品すべての計算は凄く大変です。

    なので作品の原価は販売価格の一律○○%と決めてしまってもよいと思います。私の場合は30%にしています。

    棚卸は12月31日現在の在庫数で合計額を出しましょう。

     

    棚卸のメリット

    棚卸にはメリットがあって、材料や作品の在庫を把握していることで翌年の仕入れの計画が立てやすいのと、急に売れだした時や注文のお問合せがあったときに機会損失にならずにすみます。

    記帳で注意すること

    年度の途中や年末になってなにげに帳簿を見た時、「違和感がある」「なんかつじつまが合わない」みたいなことにならないように気をつけてください。

    というのも私がそうで、結局レシートやら通帳、カードの履歴を突き合わせることとなったのでした。

    • 経費の仕訳は「ラッピング包装紙は消耗品費」「駐車場代は雑費」など、一度仕訳を決めたら1年間はそれを通します。不都合がでたら翌年に仕訳を変更しましょう。
    • クレジットの支払いは引き落しが翌月だったりしますが、帳簿に記帳する日付は引き落しの日ではなく購入した日になります。
    • ネット販売の売上げの日付は口座に振り込みされた日ではなく、作品が売れた日(売れた月)が売り上げた日になります。

    まとめ

    ここまで読んでくださってお疲れさまでした。

    私の勘定科目はあなたのハンドメイドに当てはまりましたか?

    あなたにはあなたの勘定科目があるかもしれないので、自由に設定してみてくださいね。

    そして経費は領収書、レシート、出金伝票をキチンと保管して、マメに記帳しましょう。

    もし源泉徴収税の還付申告をするとなったときにも、帳簿(記帳)があると申告がラクです。

    ぜひ経費の記帳を習慣化してくださいね。

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