ハンドメイド販売のイベントで「百貨店の催事に出店してみたい。」と思っていますか?
百貨店の催事場では日々様々な特集の催事がおこなわれていて、そんな中、ハンドメイドイベントも定期的に催されているので気になっている作家さんも多いのではないでしょうか。
私も2023年に「サッポロモノヴィレッジ(特別版)in 丸井今井札幌本店」に出店しました。
実はこの時、百貨店催事出店は10年ぶりにで、あまりに久しぶりなので10年前の記憶と感覚を思い出しながら挑んだという感じです。

この記事では、百貨店催事出店ならではの特徴と、注意点をまとめてお伝えするよ。
百貨店の催事出店に興味のあるあなたへ、私の経験がお役に立てたら嬉しいです。
ジャンプできる目次
百貨店の催事出店はココに注意
お客様は百貨店のお客様
10年前の出店では、開催前に運営側による出店者を集めた説明会がありました。
その中で「出店者の皆さんの接客は百貨店の評価になります。」とお話しを受けました。
のほほんとした性格の私には、背筋がピッなったお話しでした。
「催事場も含め館内にいらっしゃるお客様は皆さま百貨店のお客様で、出店者の皆さんも会期中は百貨店の従業員のつもりで接客されてください。」とのことでした。
百貨店のブランドって、やっぱり特別なんですね。
10年ぶりの今回は、出店者が一カ所に集まるような説明会もないですし、なにしろ出店者マニュアルもPDFの時代です。
でも、そんなふうに効率化が進むなかでも、百貨店ブランドは変わらず脈々と続くと思うので、出店の期間中は自分も百貨店の人間という意識でいるのが必要かと思います。
搬入・搬出(撤収)の注意点
搬入
百貨店に入るときは搬入も会期中も裏の従業員専用の通用口から入ります。
そこには防災センター(多分そう呼ぶ?)があり毎回記名が必要かもしれません。
記名するとしたら名前、電話番号、売り場の階数、入館時刻(帰りは退館時刻)などを記入します。
また、運営の担当者さんから出店者証(リボン、バッジ的な)の配布があるかもしれません。
私が出店したときはリボンが渡され、一応これがないと中へは入れないことになっていて、そして会期終了時には返却しました。
搬出(撤収)
どのイベントでも最終日の撤収は、終了時間前に片付け始めることは禁止事項ですよね。
百貨店では特にこれをしてしまうとみっともないですし大変危険です。
それはまだフロアにお客様が残っていた場合、撤収をはじめることでお客様がケガをする恐れがあるからです。
お客様にケガなどされたらそれこそ一大事なので、お客様がフロアに居ないか確認して、行動に余裕を持つ必要があります。
- イベント終了のアナウンスがはいる
- お客様をお見送り(ブース内から通路かエスカレーター方向に向かって起立)
- 百貨店の従業員さんが天井からスクリーンをおろしていく(他の売り場と遮断される)
- スクリーンがおりてから搬出(撤収)作業をはじめる
搬出(撤収)では他に、荷物を運び出すための「持ち出し伝票」を1階出口の防災センターに提出します。
「持ち出し伝票」は最終日に運営の担当者さんから配られるので、搬出(撤収)の前に記入しておきます。
開店前に朝礼
百貨店では開店前に催事の運営担当者、百貨店担当者、出店者を交えて朝礼をおこないます。
時間はだいたい開店30分か40分くらい前です。
その日の連絡事項や注意事項を聞きます。
なので開店前に作業が必要でしたら朝礼の間は作業が出来ないので、余裕をもって行くのがいいと思います。
お会計は集中レジ
お会計は集中レジです。
スムーズなお会計にために値札に注意しましょう。
- 値札は読みやすく規定通りに書く
- シール値札は剥しやすいものに
- 出店者番号を間違えない
レジのスタッフさんに負担をかけないために、値札は規定通りに書きます。
また、出店者番号を間違えると他の出店者さんの売上げになってしまうのでそこも注意ですね。
集中レジだと包装もしてくれますが、手付きの紙袋は有料かもしれません。
なので、作品と一緒に手付きの紙袋をお渡ししておくのもありかと思います。
集中レジのいいところは、つり銭と包装の用意が要らないしブースを留守にしても大丈夫なので、こまめに休憩をとりに行けて助かります。
1日が長い
百貨店の営業時間はだいたい10時から21時(イベント最終日は17時)で、1日が長く体力を消耗します。
なので上手に休憩を取って体調管理していくことが大事です。
バックヤードはまるで迷路
百貨店のバックヤードは、きらびやかな売り場とのギャップが凄いです。
- 迷路のようでわかりにくい
- 通路が狭い
- 照明が明るくない
私はちょっと方向音痴で、特にお昼休憩で食堂に行くときは迷いました。
事前に経路図をもらったのですが、バックヤードに入ってしまうと右か左かわからなくなってしまうんですよね。。
搬入・搬出の時は、他の出店者さんが大勢いらっしゃるので、後ろをついて行かせてもらって事なきを得ました。
過去にはふたりでも迷いました。(ふたりとも方向音痴)
社員食堂ではお静かに
私が百貨店の催事出店で楽しみにしていることのひとつは、社員食堂のランチです。
日替わりの定食や温かいものが食べられますしお値段もリーズナブルです。
催事出店の時にしか入れない場所ですから、地味にテンションが上がります。
でもここでも注意が必要です。
もしお仲間と社員食堂や休憩室に行くなら、お喋りで盛り上がるのは厳禁です。
従業員の皆さんの休憩の邪魔をしないように気をつけてください。
百貨店催事出店のメリット・デメリット
さらにメリットとデメリットの観点から見てみましょう。
出店したい意欲はあっても、自分の活動には不向きかもと思うこともあるかもしれません。
また、遠方のイベント出店に慣れている作家さんと、イベント出店は地元で車を使っている作家さんとでは、経費の面で感覚に違いがあるように思います。
メリット
● 集客力がある
百貨店そのものに集客力があるので、多くのお客様に作品を見てもらえる可能性が高くなります。
● 未知のお客様と出会うチャンス
出店する場所が変われば、客層も変わります。
今までとは違ったお客様に出会えるチャンスです。
1日目のお客様の反応を見て2日目から作品を入れ替えてもいいかもしれません。
百貨店出店では、ちょっと高額な作品も購入してもらえると感じました。
● クレジットカードやコード決済ができる
集中レジではキャッシュレス決済ができます。
手持ちの現金を気にすることなくお買い物ができるという安心感が購入の確率をあげます。
● 他の作家さんと繋がれる
とにかく1日が長いので、お客様が途絶える時間が結構あります。
その間に作家さんとの交流ができますよ。
デメリット
● 出店料・販売手数料が高い
出店料は立地や集客力に比例します。
なので百貨店出店はお高めです。
さらに販売手数料もそれなりにかかるので、作品が売れても黒字は難しいかもしれません。
● 交通費がかさむ
3日間の開催だとしたら、前日搬入も入れて4日分の電車賃がかかります。
車の場合は駐車料金がかかりますよね。
車は搬出の日だけ使うにしても、街の中心部で朝から夜までだとなかなかの料金です。
● 拘束時間が長い
休憩は自由にとれますが、それでもブースに居る時間は長く、時給換算すると虚しくなるかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
デメリットはお金の話になってしまいましたが、私としても出店するからには黒字を目指したいのでご紹介しました。
百貨店や認知度のあるイベントでは経費が結構かかるのが現実です。
でも、いっそのことプロモーションの場と割り切っちゃって、次の出店やInstagram、ECサイトへ誘導していく戦略はいかがでしょうか。
コロナが5類に移行してから、ハンドメイドイベントがいっそう増えていますから、百貨店の催事出店も選択肢に入れてみてくださいね。