ハンドメイド販売のイベントで「百貨店の催事に出店してみたい。」と思っていますか?
百貨店の催事場では日々様々な特集の催事がおこなわれていますよね。そんな中、ハンドメイドイベントも定期的に催されているので気になっている作家さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は百貨店の催事出店に興味のあるあなたへ、百貨店催事ならではの特徴と注意することをまとめてお伝えしていきたいと思います。
そういう私も昨年の百貨店催事出店は10年ぶりにで、あまりに久しぶりなので10年前の記憶と感覚を思い出しながら挑んだという感じです。
そんな私の経験がお役に立てたら嬉しいです。
この記事の目次
百貨店の催事出店はココに注意
お客様は百貨店のお客様
10年前は開催前に運営側による出店者を集めた説明会がありました。
その中で「出店者の皆さんの接客は百貨店の評価になります。」とお話しを受けました。催事場も含め館内にいらっしゃるお客様は皆さま百貨店のお客様で、出店者の皆さんも会期中は百貨店の従業員のつもりで接客されてくださいとのことでした。
百貨店のブランドはやっぱり特別なんだなと、ちょっと背筋がピンとなったのを思い出します。
今はそういった説明会もないですし、出店者マニュアルもPDFの時代です。ですがそういった簡略化や効率化の流れはあっても、百貨店ブランドは変わらず脈々と続くと思うので、出店の期間中はあなたも百貨店の人間という意識でいるのが必要かと思います。
搬入・搬出(撤収)の注意点
搬入
百貨店に入るときは搬入も会期中も裏の従業員専用の通用口から入ります。そこには防災センター(多分そう呼ぶ?)があり毎回記名が必要かもしれません。記名するとしたら名前、電話番号、売り場の階数、入館時刻(帰りは退館時刻)などを記入します。
また、運営担当者から出店者証(リボン、バッジ的な)の配布があるかもしれません。私が出店したときはリボンが渡され、一応これがないと中へは入れないことになっていて、そして会期終了時には返却しました。
搬出(撤収)
どのイベントでも最終日の撤収は、終了時間前に片付け始めることは禁止事項ですよね。
百貨店では特にこれをしてしまうとみっともないですし大変危険です。
それはまだフロアにお客様が残っていた場合、撤収をはじめることでお客様がケガをする恐れがあるからです。
お客様にケガなどされたらそれこそ一大事なので、お客様がフロアに居ないか確認するよう行動に余裕を持つ必要があります。
- イベント終了のアナウンスがはいる
- お客様をお見送り(ブースにいてOK)
- 百貨店の従業員さんが天井からスクリーンをおろしていく(他の売り場と遮断される)
- スクリーンがおりてから撤収作業をはじめる
搬出では他に、荷物を運び出すための「持ち出し伝票」を1階出口の防災センターに提出します。用紙は最終日に配られるので撤収前に記入しておきます。
開店前に朝礼
百貨店では開店前に催事の運営担当者、百貨店担当者、出店者を交えて朝礼をおこないます。時間はだいたい開店30分か40分くらい前に始まって、その日の連絡事項や注意事項を聞きます。
なので開店前に作業が必要でしたら余裕をもって行くのがいいと思います。
バックヤードはまるで迷路
百貨店のバックヤードは、
- 迷路のようでわかりにくい
- 売り場ほど照明が明るくない
- 通路が狭め
特にお昼休憩で食堂に行くときは迷いました。事前に経路図をもらうのですが、バックヤードに入ってしまうと右か左かわからなくなってしまうので、私のように方向音痴の方は気をつけてくださいね。
お会計は集中レジ
売上げから販売手数料(30%か40%くらい)を差し引くため、お会計は集中レジです。
気をつけたいのは値札は読みやすく規定通りに書くことです。
レジのスタッフさんに負担をかけてはいけません。また出店者番号を間違えると他の出店者さんの売上げになってしまうかもしれませんよ。
集中レジでは包装もしてくれますが、紙袋は有料かもしれません。もし有料だと申し訳ないと思うのでしたら確認してこちらで必要なお客様にお渡ししするのもありかと思います。
また集中レジのいいところは、つり銭と包装の用意が要らないことと、ブースを留守にしても大丈夫なので百貨店の外に出ることもできます。
1日が長い
百貨店の開店閉店時間はだいたい10時から21時(最終日は17時)なので、ずっとブースに詰めているとにかく1日が長く体力を消耗します。
なので上手に休憩を取って体調管理していくことが大事です。
社員食堂ではお静かに
私が百貨店の催事出店で楽しみにしていることのひとつは、社員食堂のランチ。
日替わりの定食や温かいものが食べられますしお値段もリーズナブルです。催事出店のときにしか入れない場所ですから地味にテンションが上がります。
でもここでも注意が必要です。もしお仲間と社員食堂や休憩室に行くなら、お喋りで盛り上がるのは厳禁です。
なぜならそこでお喋りしている人は誰もいなくて、まるで図書館のようにとっても静かだからです。
皆さんの休憩の邪魔をしないように気をつけてください。
百貨店催事出店のメリット・デメリット
さらにメリットとデメリットの観点から見てみましょう。
メリット
● 集客力がある
百貨店にそもそも集客力があるので多くのお客様に作品を見てもらえる可能性が高くなります。
● 未知のお客様と出会うチャンス
出店する場所が変われば、客層も変わります。今までとは違ったお客様に出会えるチャンスです。1日目のお客様の反応を見て2日目から作品を入れ替えてもいいかもしれません。
● クレジットカードやコード決済が使える
手持ちの現金を気にすることなくお買い物ができるという安心感が、購入の確率をあげます。またちょっと高額な作品も売れやすくなります。
デメリット
● 収支が厳しい
出店料は立地や集客力に比例して高くなります。なので百貨店はお高めです。さらに販売手数料もそれなりにかかるので、売れても黒字は難しいかもしれません。
また他にも経費(毎日通う電車賃、車の場合は駐車料金、ブースにいる時間の時給換算)を計算すると、虚しくなるかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
出店するからには黒字を目指したいのは当然ですよね。でも百貨店や認知度のあるイベントでは経費が結構かかるのでなかなか厳しいのが現実です。いっそのことそういった場所の出店はプロモーションの場と割り切っちゃって、ECサイトへ誘導していくのが今風の戦略なのかもしれませんね。
コロナが5類に移行してから、ハンドメイド販売の場所がいっそう増えていますから、百貨店の催事出店も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。