ハンドメイド作品を販売するときに値付けに困っていませんか?
今回は悩まずサクッと販売価格が決まる、ととたま流「ちょうどいい価格の決め方簡単ステップ」をご紹介したいと思います。
結論をいうと計算方法は、 材料費の4倍です。
えっ? 原価はいいの? 材料費だけが原価じゃないって聞くけど...。
そう!そこなんだよね。だから値付けに悩んじゃうんだよね。
この記事の目次
そもそもなぜ値付けに悩んでしまうのか
ハンドメイドの販売価格の一般的な計算方法は、原価+販売手数料等+利益 といわれています。
また、原価率(価格に対する原価の割合)は30%~40%を目安に設定するとか、価格は原価の3倍が相場ともいわれています。
原価計算が分かるようで分からない
作品をつくるために使ったものすべてを原価計算します。
原価に含まれるものは、材料費+人件費+諸経費です。
材料費:仕入れた材料、使用した接着剤や道具、電気代など。
人件費:作品の制作にかかった時間を時給で換算したお給料。
諸経費:梱包資材、交通費、ショップカードなど。
作品1つあたりの使用量を割り出すことは結構大変かもしれません。
ハンドメイドは人件費が高額なので値付けしずらい
既製品は大量生産することでコストが下がるので価格を安く設定できます。
ハンドメイドはその真逆で、少数生産ですべてが手作業です。制作に何時間も何日も費やすので非常にコストがかかります。
一番かかるコストは人件費で、すなわち自分自身のお給料です。
私も「自分のお給料は我慢してでもお客様の買いやすい価格におさえるべき?」などど考えてしまい値付けがしずらく悩んでいました。
「希望の価格」「売れそうな価格」「作品のクオリティー」「労働の対価」。このバランスを取ろうと考えれることが負のスパイラルです。
ハンドメイドの適正価格
雰囲気で値付けするのは損のもと
作品の見た感じとか雰囲気で「なんとなくこのくらいかな。」なんて値付けをするのはキケンです。
せっかく売れて売上げが入っても、ぜんぜん手元に残らないなんてことになりかねません。
特にイベントやマルシェ出店、委託販売では先に出店料や委託料を払っていますから、一定数売れなければ損をしてしまいますよ。
人件費はあなたのお給料で労働の対価、売上げ利益は次の材料や道具などを買ったりスキルアップの勉強代などに充てるお金です。
なので人件費と利益をきちんと設定することがハンドメイドの適正な価格といえます。
販売価格は「材料費の3倍から4倍」がちょうどいい理由
先ほど、ととたま流「ちょうどいい価格の決め方簡単ステップ」の計算方法は、 材料費の4倍とご紹介しました。
そこで下の2つのグラフをご覧ください。まったく同じ作品の販売価格を、左は「材料費の4倍」、右は「原価の3倍」で計算してイメージを可視化しました。
「原価の3倍」のほうは高額そうですが、作品に見合っていれば何の問題もありません。
でも、高すぎると感じたら?きっと 利益を削ることになりますが、だったら最初から「材料費の4倍」で計算したほうが早くないですか?
それでもし安いと感じたら、材料費の4.2倍、4.5倍、5倍...というふうに上げていけばいいのです。
モチベーションからいっても、削ることより上げることのほうが楽だと思うのです。
ちょうどいい価格の決め方簡単ステップ
ではあらためまして、ととたま流「ちょうどいい価格の決め方簡単ステップ」をご紹介します。
- 作品1つあたりの材料費を割り出す。
- 販売価格を計算する。材料費×4=販売価格
- 金額を調整する。
1、材料費を割り出す
作品1つあたりの材料費を割り出すは大変ですが、これだけは頑張って計算しましょう。
割り出しが難しい液体系の絵具や接着剤などは、暫定的でいいので1円でも2円でも材料費に入れます。なんといってもチリツモですから。
2、販売価格を計算
私の場合は「材料費の4倍」ですが、3倍でも4倍でも5倍でもいいのです。
実際に計算してみてちょうどいいと思う掛け率に設定してください。
3、金額を調整して販売価格決定
そして計算してでてきた金額が作品に見合っているかどうか検証します。
- ハンドメイドマーケット、ECモール、実店舗のハンドメイドショップなどの価格と比較する
- 既製品の市場価格と比較する
既製品と比較するのはそれよりも高い価格にしたいからです。
一番重要なのは、ハンドメイドの競合の価格帯より極端に安くしたり高くしたりしないことです。ですが付加価値で差別化を図って高くするのもありです。
さて、これで販売価格が決定しました。
いずれはきちんと原価計算をしよう
今回は「材料費の4倍」で販売価格の計算をしましたが、いずれは人件費と諸経費も割り出して原価計算してくださいね。
原価に含まれるものは、
材料費:仕入れた材料、使用した接着剤や道具、電気代など。
人件費:作品の制作にかかった時間を時給で換算したお給料。
諸経費:梱包資材、交通費、ショップカードなど。
原価計算をしておく理由は、今後利益を上げていくときの見直す材料になるからです。
販売価格100%のうち、仮に今の原価率が70%だとして、今後60%、さらには50%に低くしていくことができたら利益を上げることができます。
原価を低くするには次の方法があります。
- 材料のグレードや単価を落とす
- 材料の仕入れ先を変える
- 材料をムダなく使い取れ高を上げて生産個数を増やす
- 制作工程を効率化して制作時間を短縮する
- 諸経費がかかり過ぎていないか見直す
- 技術を上げたり付加価値を付けて販売価格を上げる
「材料のグレードを落とすこと=粗悪」ということではありません。販売価格とバランスが取れる範囲で材料のグレードを見直すこともありかと思います。
材料費以外の諸経費は、例えば梱包資材やショップカードなどにこだわりがあって業者さんに発注するならば、単価に注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は原価をあえて材料費だけで考えた、ととたま流「ちょうどいい値付けの簡単ステップ」をご紹介しました。
もし値付けに迷われていたら参考にしていただければと思います。
材料や道具などを買ったりスキルアップの勉強代などのお金は、売上げの利益から出すのが健全な運営で、もしそれ以外(自分の貯金や家計)からの持ち出しが続くとしたら、ハンドメイド販売を長くはやっていけなくなってしまいます。
なので販売価格は損をしない適正な価格を付けて、「正当な労働の対価 」と「売上げ利益」で次の活動につなげてくださいね。